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先日のオーディオショーに参加させていただいたのですが、奥様のあまりにも率直で正直なコメントにはいささか感動させられました。
主宰者側として、ここまでの率直な物言いはなかなかでkるものではないので、逆に信頼感が深まりました。
この2年ほど、定年退職時にオーディオのシステムを一新しようと思い立ち、機会があるごとにあちこちのオーディオショーに参加してきました。その結果は惨憺たるもので、なるほどこういうぶっつけ本番の会場でオーディオ器機をまともに鳴らすのは至難の業なんだと教えられました。
オーディオというのはどうやら骨董の世界に近いと思うようになってきました。
骨董品は美術品とニアイコールのようなのですが、本質的に異なる世界を持っています。
それは、骨董品は美術品のように、展示してあるものを眺めるだけでは何も分からないということです。
骨董品というものは美術品とは違って、身銭を切って自分の手もとに置き、それを眺めたりなで回したりしているうちにそのものの良さみたいなものが身に染みてきて、その結果としてはじめてそのもの価値が見えてくるものです。
どうやらオーディオというものも、身銭を切って手もとに置いてみて、それをあれこれ使いこなしていく中ではじめてそのものの良さが身に染みてくることで、はじめてそれぞれの器機の価値が分かるような気がします。
そして、そうやってなで回しているうちに、その品が偽物であることに気づいて苦い思いを味わうのもよく似ています。
しかし、そうやって苦い思いをしながら鍛えられていくのも、両者よく似ているような気がしました。
オーディオショーというのは、もしかしたら骨董品を美術館に飾って眺める行為に近いのかもしれません。
ですから、この1年ほどは、「これを買いたいかどうか」という視点で聞くようになってから、オーディオショーが美術館の展示品からオークション会場くらいの雰囲気にはなってきたかな?とは思っています。
そして、今回のオーディオショーに関していえば、残念ながら「買いたい」と思える器機とは出会えませんでした。
唯一、TDKの小型スピーカーには「可能性」を感じましたが、もう一押し背中を押してくれるような魅力的な音で鳴ってほしかったです。
ダイヤモンド・ソウルのようなスピーカーはとてもじゃないが「買えない」ので(^^;午前中で失礼してしまいました。
それから最後に蛇足ながら、パソコンからの再生で入力系があまりにもプアなことは気になりました。
昨今のPCオーディオの時流からいえば、Macのノートパソコンにインストールしたフリーのソフトで再生するなどというのは、考えられないほどのルーズさでした。
特にこのあたりはネット上でユーザーサイドが熱心に論議がなされ、その結果として技術的にもかなり進んでいるので、気になった方が多かったのではないかと推測します。
yung様、貴重なご意見ありがとうございました。
yung様の”オーディオ=骨董 論” 非常に興味深く拝読させていただきました。
TADのスピーカーに興味を持たれたのなら、ご自宅での再試聴などの調整をさせていただけますので、お気軽に「あなろぐふぁーむ」中田までご相談下さい。
また、ハイレゾ音源コーナーでは、MacPCなどのパソコンからの再生が、”プアな入力系”とご指摘いただきました。確かにオーディオファイルの中には、増幅系や出力系に多くの投資をしているなかで、どうして音源だけが普通のパソコンなのか・・・と疑問を感じておられる方も少なくないことでしょう。しかし、ご存知のようにハイレゾ音源ではデジタルデータがあまりにも膨大になりすぎて、CDなどの既存の汎用メディアでは処理しきれず、大きなデータ管理場所が必要になってきます。それがPCのなかのHDですが、最近ではそのHDだけをPCから切り離した音楽保管専用高品質HD(NASと呼ばれています)なども発売されています。そこから単純に音楽をとりだしてアナログに変換してアンプに信号を送るシステムも構築(LINNなどがその先端メーカーの一つだと思いますが)されていますが、それなら”プアな入力系”というご批判にも十分対応できる入力系であると感じています。
次回の、オーディオショーではそのあたりを特集してみたいと考えています。どうもPCオーディオには馴染めないが、容易に世界最高レベルのハイレゾ音源をストレスなく聴きたい・・・と自分自身が感じている中、色々勉強して皆様と一緒に楽しめるハイエンドサウンドを追求していけたらと考えています。もちろんアナログサウンドにおいても、違った意味でのハイエンドを引き続き追求していきたいと思います。
今後ともご指導のほど、どうぞ宜しくお願いいたします。
「むくの木ホール」 奥
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